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榛軒が金を餽(おく)つて賀し、寿海が必ず来り観むことを請ふを見れば、此興行は廉(かど)ある興行でなくてはならない。躋寿館(せいじゆくわん)の講師となつてより既に八年、前将軍に謁見してより既に三年であつた。
」留守は丁度半年の間であつた。桑名の儒官某の集に七絶一首があり、又昔年池辺義象(よしかた)さんの紀行に歌一首があつたかとおもふが、今は忘れた。
そして夜蘭軒の詩を閲(けみ)して、又此花に逢つたのである。 」所謂七種は胡枝花(はぎ)、芒(すゝき)、葛(くず)、敗醤花(をみなへし)、蘭草(ふぢばかま)、牽牛花(あさがほ)及瞿麦(なでしこ)である。蘭軒の「次韻真野冬旭題墨田川百花園詩」の作はかうである。